KNAP(駒澤大学写真美術部)写真展「Where to go?」


 ギャラリー・ルデコでは駒澤大学の写真美術部に所属する学生らによるグループ展「Where to go?」が行われていた。
 いずれの作品も若い繊細な感性が感じられ、特にmamikoさんとmotoさんの作品が印象に残ったので感想を残しておきたいと思う。

mamikoさん

 モノクロで撮った二種類の組写真を展示されていた。それぞれ、草むらで撮ったと思われる絡み合う草花の写真と、浜辺に寄せる波をクローズアップして撮った写真。
 草花の写真については、背景と主題の境界が曖昧で少し分かりづらい印象を受ける。ただ、独特の世界観を感じさせる不思議な力があり、昇華させていけばもっと良くなるように思った。
 もう一方の"SOUNDS"と題された波の写真は、そのタイトルの通りにまるで打ち寄せる波の音を伝えるかのような作品だ。柔らかなモノクロ表現と少し甘めのピントによって、頭の中に穏やかな波の音が響いて気持ちを安らげてくれる。こちらの作品は是非大伸ばしにして飾りたいと思った。

motoさん

 モノクロの長所を活かしていて非常に上手い。作品点数こそ2点と多くないものの、それぞれの写真には十分語る力を感じる。
 うち一枚はフィルムをコルクに焼いた作品だ。被写体は砂浜を歩く人間の姿だが、強調されきったコントラストがまるで影絵のような抽象性をもたらし、見る人間にストーリーを想像する余地を与えてる。
 もう一枚はDMにも使われている砂丘らしき場所での写真。無数の人の足跡が不規則に並び、かなたに小さく人の姿が捉えられている。足跡と人の姿の関連性が明確で、撮った人間の表現意図が良く読み取れるように思う。
 いずれの2点とも写真の基礎である「引き算」がとても上手で勉強になった。

写真展詳細

KNAP(駒澤大学写真美術部)写真展「Where to go?」
会期
2010年2月2日(火)〜2月7日(日)
時間
11:00〜19:00 (最終日は17:00まで)
会場
ギャラリー・ルデコ 3F (地図
Webサイト
http://knap.nobody.jp/