工学院大学写真部 卒業展示
ギャラリー・ルデコの5階では工学院大学写真部の皆さんが卒業展示を行っていた。
四年間の集大成とあって、皆さんそれぞれにテーマや世界観を作品で提示していて、写真に対する熱意と仲間たちと過ごしたかけがえのない時間に対する思いを感じ取ることが出来た。
作品については、水に映り込んだ風景などを捉えた寺尾俊一さんの作品が構成と色使いに優れていて上手だったように思う。
また、バングラデシュの子供たちを撮った齋藤勇太さんと、女性のセミヌードなどを撮った奥山佳佑さんは、画面の整理の仕方にうまさを感じることが出来た。二人とも、もっと被写体と向き合い、丁寧に写真を撮ることが出来れば俄然良くなるはずだ。
川とその周辺の景色をモノクロで捉えた児玉季史さんも、一枚一枚の写真は良く撮れていて、組写真としての構成を意識するとより一層良くなるように思った。
さらには、岩本真菜と高橋志保さんの撮る写真にも独特の世界観があり、女性ならではの柔らかな感性を感じ取ることが出来た。
厳しい経済状況の中での就職活動などもあったろうに、大学卒業という一つの区切りにこれだけの作品を出展する姿勢には心から感心する。卒業後も大学での四年間が写真を撮る上での礎であり続ければと願いたい。